ひろしまこども夢財団★papamama smile club

「児童,生徒の歯科検診について」

■日時 平成23年6月7日(火)
■出演 広島県歯科医師会 副会長 清水 勢一 さん
■ DJ 徳永 真紀さん

【徳永DJ】
最近の歯科検診はどうなんですか?

【清水さん】
 新学期も始まりまして,6月30日までに歯科医師が学校に出向いて歯科検診が行なわれるのですが,これは昔からあまり変わってないと思います。

【徳永DJ】
 一年に1回ですか?私の時も一緒でしたね。では今もあまり変わってないということですが,そもそも歯科検診をどうして学校でするんですか?

【清水さん】
 これには2点あります。1点目は健康上の問題,疑いのある児童,生徒さんを集団の中から選び出す。いわゆるスクリーニングですね。それともう1つは,予防を含めた健康の教育です。それを目的としております。

【徳永DJ】
 教育!?ではこういった検査結果から「あなたはここが悪い!」といったことを言ったり,治療したりするのが目的ではないと
いうことですね。

【清水さん】
 そうですね。確定診断を行なう場ではありません。

【徳永DJ】
では検診で,どういったところをチェックしているのですか?

【清水さん】
 まず最初にですね,口の開閉も含めたあごの関節,顎関節,そして顔面のバランスを観察する事から始めます。それから口腔内に入ります。口腔内では歯列(歯並びですね),噛み合わせ,歯垢の状態,歯肉の状態,虫歯の検出,そして最後に口腔粘膜のチェックをします。

【徳永DJ】
 そんなに見ていらっしゃるんですか!!!あの短い間に! 私はてっきり虫歯のチェックだけをされているんだと思ってました。いろんなところを見てらっしゃるようですが,よく虫歯の検査って「C」とか・・・。あれってなんですか?

【清水さん】
「Caries(カリエス)」虫歯の略なんですが,未処置歯を記号で「C」と書きます。そして虫歯を治療して充填,詰め物をしたりしたら処置歯として「○」の記号をつけます。そして喪失歯と言って,残念ながら虫歯で歯を抜かなければならなくなったら,永久歯だけなんですが「△」の記号をつけまして,虫歯はこの3つの記号に区別します。

【徳永DJ】
 そうなんですね。「Cのなんとか」って言いますよね。

【清水さん】
 今は「Cのなんとか」とは言わないんです。「1,2,3,4」まであったんですが,最近は「C」だけなのです。

【徳永DJ】
 そうなんですね!その辺は変わっているんですね。他にはどんなふうに検査されるんですか?

【清水さん】
 他にはですね,顎関節,あごの関節ですね。よく音が出る場合があります。口を開けるとカクカクと音がしたり,非常に開けにくいという関節の悪い方もおられます。も一つは歯並びですね。今問題になっている歯列,咬合,噛み合わせが悪い。そういったところを見ます。あとは歯垢もみます。この歯垢は食べ物のカスがどの程度歯についているかを見ます。歯肉についても見ます。赤くっているのか,あるいは腫れているのかについて見ます。これを項目別に,異常がなかったら「0」全部0だったらいいのですが,要観察「1」治療を要する場合もしくは要精密検査がいる場合は「2」このように,「0」「1」「2」と三段階で表示しているんです。

【徳永DJ】
 では「2」と言われたら「あー(><)」って思わないといけませんね。

【清水さん】
 そうですね。それとここ最近なんですが特に歯肉の状態に対するステージとして「GO (ジーオー)」というのがあります。「G」は「gingiva(ジンジバ)」英語で歯肉,「O」は「Observation(オブザベーション)」観察で,この「GO」は歯石の沈着はないのですが,歯肉に軽度の炎症があって,要検査の「1」に属します。これは精密検査,あるいは治療を受ける必要はありませんが,適正なハミガキ指導のもとに歯垢清掃つまりブラッシングで健康な歯肉に回復します。ただ,これは経過を見ていく必要がありますということです。
 「GO」の導入は,児童,生徒自身が自分の歯肉を観察することに意義を求めています。このような体験を通じ,成人期においても歯周疾患を予防することが可能になりますし,心身ともに健康な長寿社会を迎える向かえるために,健康を自己管理する姿勢を身につけることで,保健教育の一環とみなしております。
 虫歯に関しても同じように「CO」というのがあるんですよ。

【徳永DJ】
では歯茎とかも,気にする習慣を付けましょうということですか?

【清水さん】
 鏡をみて「今日は歯茎が少し赤いな」とか「腫れてるな」ということを見る事によって,成人期においてもあるいは老人期においても,そういうのを見る機会を養うということでえすね。

【徳永DJ】
 歯茎についての要観察は分かるんですが,虫歯についての要観察とはどういったことですか?

【清水さん】
 これは虫歯をほっておくということではないんですね。まず「CO」ですが,虫歯になそうな歯を自ら管理することによって,進行を防げるものを言います。

【徳永DJ】
 進行って防げるんですか?

【清水さん】
 はい。防げます。ただ,観察しておくだけでなく,学校や歯科医院で適切な口腔保健指導は必要です。そうすることによって,進行を防ぐことはできます。

【徳永DJ】
 正しいやり方を教えてもらってということですね。

【清水さん】
 はい。特に歯と歯の間は糸ようじなどを使ったり,噛み合わせで着色があれば,ブラッシングでキレイにするとかですね。そして,子ども達が積極的に「CO」を管理しようとすることで,自分の健康は自分で守るんだということを学ぶことが教育の一環として目的としてあります。

【徳永DJ】
 この辺りで,教育となるんですね。清水先生も直接学校に行かれることがあるんですか?最近のお子さんの歯はどうでしょうか?

【清水さん】
 まず歯の状態は治療が大変よくされています。虫歯のないお子さんが大変多くなってきました。30年前とは大違いです。ただ,歯垢の付着による歯肉炎,色素の沈着による歯肉炎が増えてきています。これは最近の食べ物が柔らかいこと,スナック菓子など歯に歯垢として付着しやすいものを子ども達が好んで食べていることが原因だと思います。また,歯並びの悪いお子さんが増えています。これはあごの張ったお子さんが少なく,あごの小さいお子さんが増えてきています。見た目はきれいなのですが,歯の入るスペースがなく,叢生(そうせい)といって歯が前に出たり後に引っ込んだりします。矯正をしているお子さんが多いですね。でも,外見でみると,美形で今のタレントさんは小顔ですよね。

【徳永DJ】
 でも歯の事を考えたら,きれいな歯並びのほうがいいですね。では,最後になりましたが,パパさんママさんへメッセージをお願いします。

【清水さん】
 では3点ほどパパママにメッセージを送ります。まずひとつめ,学校に歯ブラシを持って行っていただきたいんです。昼食後にはしっかりハミガキをして貰いたいと思います。もちろん,家庭においてもしっかりとしたハミガキをすることはもちろんなのですが,学校でもしっかりしてください。また小さいお子さんはパパママがチェックをしてあげて下さい。特に小学校低学年はよくチェックをしてあげて下さい。そして2点目は定期的な歯科検診を歯科医院に行って行なって下さい。悪くなくても行って,かかりつけ医を持つということが非常に重要です。そこで,なんでもいいので相談をして下さい。三点目ですが,学校検診はあくまでスクリーニングです。確定診断ではありませんので,学校から検査の紙を持って帰ったら,必ず歯科医院に行って相談をして下さい。以上三点をパパママにお願いします。

【徳永DJ】
 はい。わかりました。今日は広島県歯科医師会副会長 清水勢一さんにおこしいただきまして,「児童,生徒の歯科検診について」お話を伺いました。ありがとうございました。 

【清水さん】
 ありがとうございました。