ひろしまこども夢財団★papamama smile club

「妊婦さんの口腔ケア」

■日時 平成23年8月30日(火)
■出演 広島県歯科医師会 副会長 甲野 峰基 さん
■ DJ 徳永 真紀さん

【徳永DJ】
ママになる日のために歯についてチェックしておいた方がいいポイントとはどういうところでしょうか?

【甲野さん】
 歯科医院に行って、虫歯や歯周病がないかチェックしていただきたいことはもちろんですが、毎食後の歯磨きも大事です。また、歯の丈夫な子にするためには、歯の健康状態や
栄養管理が大切ですよ!緑黄色野菜や根菜類、魚介類や海藻など、バランスよく栄養を摂りましょう。進行した歯周病、喫煙や飲酒は、早産や低体重児出産のリスクを高めますから、注意しないといけないですよ。

【徳永DJ】
妊婦さんの時から、大切なことなんですねー。
あと、妊娠中にママに虫歯が残っていてはいけないと言われますけど、これはどうしてなんですか?

【甲野さん】
 お母さんのお口の中に問題があると、これから生まれてくるお子さんの健康に悪い影響を及ぼしかねません。生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌は住んでいないんですよ。それが3歳ぐらいの間に、お母さんや家族の方から虫歯菌が移るんです。ですから、妊娠前からお母さんのお口の虫歯菌を減らして、赤ちゃんの虫歯予防を始めましょう。もし、虫歯のあるお母さんがいらしたら、かわいいお子さんへのキスができなくなりますよ。

【徳永DJ】
 そういうことでも移っちゃうわけですねー!

【甲野さん】
 また、安定期を除いては歯の治療が困難になりますから、妊娠前からのチェックが必要ですね。歯周病や痛みや腫れを伴う状態になってくると治療が困難になるとともに、抗生物質を飲まないといけなくなることもありますから、注意が必要ですね!

【徳永DJ】
確かに、それは心配なことですもんねー。お話に出ていました歯周病とは、どんな病気になるんですか?

【甲野さん】
 歯周病を簡単に説明しますと、歯と歯茎の境目、いわゆる歯周ポケットに細菌が入って、歯肉が炎症を起こし赤く腫れて、歯磨きをすると血が出てきます。でも、まだ痛みはありません。さらに進むと歯を支えている骨、いわゆる歯槽骨が溶けてうみが出たり、歯がグラグラしてきます。この時期になって初めて痛みや腫れを伴います。そして最後には歯が抜けてしまいます。大きな痛みを伴わず進行してしまう生活習慣病のひとつですね。また、歯周病は全身の病気に悪影響を及ぼします。狭心症心筋梗塞、糖尿病、肺炎などです。

【徳永DJ】
 そのあたりにも影響してくるんですか!では歯周病にならないためには、日頃からどのようなことに気を付ればいいでしょうか?
 
【甲野さん】
 そうですね、これは妊婦さんに限ったことではないですが、まず、第一に歯磨きをしっかりすること、これが大切ですね。そして、睡眠や栄養を十分に摂り体調管理に努めるとともに、日頃からかかりつけの歯科医院で歯科医師や歯科衛生士による歯石除去や、機械を使った歯面清掃などのプロフェッショナルケア、プロフェッショナルクリーニングを受けて、個人個人に合った刷掃指導を継続的に受けて、実践することでお口の健康を保つことができます。

【徳永DJ】
 定期的に歯医者さんに行ったほうがいいんですね。

【甲野さん】
 そして、歯周病を自分でチェックしてみてはどうかと思いまして、以下の10個のことを言ってみますね。
①    歯肉がブヨブヨしている。
②    口臭が何となく気になる。
③    歯肉が痩せてきたみたい。
④    歯と歯の間に物が詰まりやすい。
⑤    硬いものが食べにくい。
⑥    歯がグラつく。
⑦    時々歯が浮いたような気がする。
⑧    歯を磨かない日がある。
⑨    ここ数年歯医者さんに行ったことがない。
⑩    糖尿病にかかっている。
以上、10個の内の3個以上当てはまっている人は、歯周病が進行している恐れがあるので、早めに歯科医院に行かれた方がいいでしょうね。

【徳永DJ】
 ぜひ、皆さんもチェックしてみて下さい。
 そして、今のお話は妊婦さんに限らずのことだったんですが、今度は妊婦さんの話に戻りますが、ママのお腹にいる間に赤ちゃんの歯はできているんですか?

【甲野さん】
 そうですね、胎児7~10週で乳歯の歯胚、歯の卵のようなものが形成されます。

【徳永DJ】
 そんなに早くから。

【甲野さん】
 思った以上に早いですね!臼歯は胎児3~5か月ぐらいから形成されます。したがいまして、妊婦さんの食事は健康な母体づくりのためにも大切ですが、同時に赤ちゃんの丈夫な歯を育てるためにも大切なんですね。バランスのとれた食事を心がけてください。

【徳永DJ】
 はい。食べることも大切なんですが、ただ、つわりがひどくてなかなか食べられないという方もいらっしゃると思うんですが。

【甲野さん】
 そうですねー。つわりがひどい方は本当に辛いと思います。そのような時期には、食べることのできるものを探して、何でも食べていただくしかないですね。

【徳永DJ】    
 それでいいんですねー!

【甲野さん】
 小分けにして、たとえば朝昼晩3食をそれぞれ2~3回に分けて召し上がっていただいてもいいと思います。ただし、偏食にならないように気を付けてください。

【徳永DJ】
 そうですねー。
 あと、つわりがひどくて歯磨きもできないという方もいらっしゃると聞くんですけど。

【甲野さん】
 そういう方もいらっしゃると思います。そういう方は歯ブラシのヘッドが小さくて、毛の柔らかめのものを使ってください。また、歯磨き剤は無香料で虫歯予防のためにもフッ素入りのものを使うといいでしょう。のどの奥を刺激しないように、少し前かがみぎみで
歯ブラシを小さく動かして磨くといいですよ。一度に磨こうと思わずに、体調のいい時に何回かに分けて磨くのもいいでしょう。それでも難しいときは食後にお口をゆすぐだけでも結構ですし、デンタルリンスを使用したり、キシリトールガムを噛んで、虫歯菌の増殖を抑えることもいいのではないでしょうか。

【徳永DJ】
 できる範囲でみなさんもやってみて下さい。辛いとは思うんですけどねー。
先ほどフッ素入りの歯磨き粉を使うといいという話だったんですけど、それは胎児には影響ないんですか?

【甲野さん】
 フッ素は胎盤を使いませんので、胎児には影響を与えません。今店頭で市販されている歯磨き剤の8割以上にフッ素は入っているんですよ。

【徳永DJ】
 そうなんですねー。では、大丈夫ということですので、安心して使ってください。
 虫歯を治しておくということが一番なんですけど、妊娠中に虫歯が見つかった場合は歯の治療はしてもいいんですか?

【甲野さん】
 そうですね、妊娠前に日頃から定期的にかかりつけの歯科医院で診ていただいて、何かあれば治療を済ませておくことが大切です。妊娠中に虫歯や歯周病が見つかって痛んだりした場合は、妊娠中期だいたい5~7か月で、母体、胎児ともに安定している時期であれば通常の歯科治療はほぼ可能です。レントゲンは防護服を腹部につけておけば、赤ちゃんには危険がありませんし、局所麻酔も心配することはありません。治療中は楽な姿勢になるように、椅子の角度をリクエストしたり、トイレが近くなっったり気分が悪くなったときには、我慢せずに伝えてあまり治療にストレスを感じないようにすることも大事ですよ。
また、先ほどもお話しましたが、妊婦に重度の歯周病があると、早産や低体重児出産の可能性が高まりますので、歯周病のある方は治療しておくことが大切ですね。

【徳永DJ】
 やはり、定期的な検査、チェックが大事ということですね!
ありがとうございました。