ひろしまこども夢財団★papamama smile club

「芸術の秋,美術館へ行こう!」

■日時 平成23年10月4日(火)
■出演 広島県立美術館 学芸員 角田 新 さん
■ DJ 徳永 真紀さん

【徳永DJ】

まずは「学芸員」というのはどういうお仕事をされているんですか?

 

【角田さん】

 一言でいうのは難しいのですが,同業者には「雑芸員」と揶揄していうくらい本当にいろいろなことをやっているのですが,美術館も博物館の一種ですので,その骨組みから言うとその館が持っている作品を次の世代まで,今の人が感動しているのと同じ姿で伝えていく。そういうふうに作品を守り,保管し,あるいは守るべき作品を捜して収集していく,そういうことが基本なんだろうと思います。そうした上で,それがなぜ大事なのかを知っていただいたり見てもらったり,そういったことを分かりやすく紹介するのが展覧会になっていくのだと思います。館で展示するものがどういったものか,どういった値打ちがあるのか,他のものとどのように関わっているのかを知っていただくために,館が持っていないものを借りてきて,特別展を企画したり・・・。いろんな仕事がありますが,基本は次の世代,僕達の子どもの世代だけではなく,もっと長い時間,僕達はこんなものを大事にしていたんだよと伝えていく,残していくのが僕達の仕事だと思っています。

 

【徳永DJ】

 そういった意味では次の世代,お子さんが大切になってきますが,広島県立美術館はイクちゃんサービスに参加されているんですよね。

 

【角田さん】

はい。例えばオムツ替えスペース,授乳スペースもありますし,ミルクのためのお湯の提供やベビーカーの貸出のサービスも行っています。

 

【徳永DJ】

 意外とご存じない方多いと思いますので,声を掛けていただきたいですよね。

そして今日のテーマ「芸術の秋,美術館へ行こう!」なんですが,美術館というと,なかなかお子さま連れでは行けない・・・とおっしゃる方いらっしゃるかもしれません。どうなんですかね?

 

【角田さん】

 そうですね。いろんな考え方の方がいらっしゃいますので,とりあえず,当館の取組みとして,いまやっている「ウクライナの至宝展」の会期中,今度の日曜日10月9日から10月16日まで,ベビーシッターによる託児サービスをやってみようということになりました。サービス自体は無料で,9:00~17:00の間の一家庭2時間まで託児を致します。

そうしますと,展覧会も小さなお子さま連れだと入りにくい方も,安心して展示を見ていただく時間が取れるんじゃないかと,いうことで今回それを試してみようと思っています。

 

【徳永DJ】

10月9日から16日までがベビーシッターによる託児サービスがあるんですね。「ウクライナの至宝展」というのはいつまであるのですか?

 

【角田さん】

 これは11月の13日までですが,ウクライナという国から門外不出と言われていた歴史のある美術品,これを223点お借りして,様々な時代の様々な魅力。たとえばウクライナはスキタイ人という騎馬遊牧民族が大変有名なのですが,紀元前2700年くらいに活躍した彼らの美術品からスタートして,彼らと共に生活していた古代ギリシャ人の美術品や,スキタイ人の後にウクライナに入ってきたサルマタイ人達の美術品。更にはその後そこへやって来て国を興したヴァイキング達の美術品。時代の流れの中でどんどん積み重なっていく様々な文化の足跡を美術品を通して見ていただこうというような展示です。

 

【徳永DJ】

お子さん達が楽しんで見るには,どんな所にポイントを置いたらいいですか?

 

【角田さん】

 そうですね。実際にはそんな堅苦しいものではないので,色んなところで楽しんでいただけると思うのですが,例えば男の子のお子さんですと,金製品なんかに小さな動物がいるので,動物の力強い表現だとか,武器や武具や甲冑,刀など男の子は好きじゃないですか!そういったのがかっこいい!!とう楽しみ方もあるでしょうし,女の子でしたら金製品のキラキラもかわいい!と思うかもしれません。アクセサリーなんかも,とても何千年も前のものだと思えないくらい完成度が高いものがあって,ざくろ石のネックレスなんかは本当にかわいらしくて,そういうのを見ると「私もつけてみたい!」とそういう楽しみ方でいんじゃないかと思います。

 

 

【徳永DJ】

 純粋に楽しんでもらえたらいいんですね。では,親子で美術館を楽しむために,何か企画はありますか?

 

【角田

さん】

今回ワークショップを2つほど用意しています。一つは古代人と同じようなやり方で,金属板をへらで押し出すような形で,スキタイ人達が実際に使っていたのと同じようなアクセサリーを作ってみようというのと,もう一つは七宝焼きで自分だけのアクセサリーを作ってみようという二つのワークショップを用意しています。どちらも完成度を求めていくと,大人も熱中するでしょうが,子どもでも充分形を作っていけるものなので,親子で一緒に楽しまれたらいいのではと思います。

 

【徳永DJ】

 詳しくはホームページに書いてあるんですよね。こちらをぜひチェックして見て下さい。そしてやはり美術館ですから,守ってほしいルールもあると思いますが,いかがでしょうか?

 

【角田さん】

 はい。たくさんの人が訪れる施設ですので,他の人に迷惑をかけないというのは基本なんだと思うんですね。これはどこに行っても同じだと思うのですが,美術館の場合ですと,走らない,騒がない,ふざけないなど,度を越してしまうと事故にもつながりますから,そういうことだけは注意させていただくのですが,例えば話声など,みなさんすごく心配されるんですが,実際には作品について話すのはいいんだと思うんですね。僕なんかは作品を見ながら話したいほうですし。ただ,中には美術館に来るときには日常を忘れて,違った気持ちで作品を見に来ているのにというお客様もいらっしゃいますので,なので,近くに他のお客さまがいらっしゃる時は多少気を使っていただいて,小さな声でしゃべるとかしていただければ,それ以外はある程度は「この作品はこうだと思うのよ。」と言うのを普通に話していただくほうが楽しいし,よく作品のことが分かると思うんですね。

 

【徳永DJ】                                                 

 お子さん目線でどう思うのか聞いてみると,斬新で楽しい意見が出てきそうですね。

 

【角田さん】

 そうですね。大人とは違う,こんな見方するんだというのが勉強になったりしますよね。

 

 

【徳永DJ】

 小さな声で内諸話風に楽しんでみるのもいいかもしれませんね。では,最後にパパさんママさんへメッセージをお願いします

 

【徳永DJ】

 美術館は敷居の高い建物じゃないと僕達は思っているんですよ。美術というもの自体が難しいものととらえがちですが,学校で習ったりしますから答えがあるみたいに思うんだけど,答えが分かりにくいから難しいていうふうに言われるんですが,そんなことないんですね。結局美術館にあるものも,誰か偉い人が「これがすばらしい!」と言ったからではなく,やっぱり力があるからいいものだと。だからこそ,誰が見てもいいものってあると思うのですが,物を見たときに人が名作だと言ったからいいのではなく,私はこれが好きだと,でもある人は「そんなに言われるほどすごいものだと思わなかったけどな~。」とか,そういう風に自分の意見が素直に言えるってすごく大事だと思うんですよ。だけど,正解を言わなくちゃ恥ずかしい!!みたいな気持ちがでてきて,なかなかそれが言えなくなってるんじゃないかと思うんですね。だから,美術館の存在は,みんなでワイワイと話して「僕はあれを見た時,こんな風に思ったんよ~。」と話のキッカケになればいいと思いますので,ぜひ気軽に美術館へお越し下さい。